いつのこととは書かないけれど、そう遠くない過去のこと。

あるテレビ局・あるいはラジオ局の、ある番組に、ある男性ゲスト●●さんが来た。テレビにチョコチョコ出演している、まぁまぁ知名度のある方。
ところがこの日、スタッフはみんな忙しくて彼の接待をする役がいなかった。
とはいえ、ゲストなのに本番直前まで控え室に放ったらかしというのはあまりに失礼じゃないか。
ーーということで、Iさんが社内電話で、『誰か手が空いている女性社員がいたら○階の○○室へ来るように。』という命令が。
事情を聞いた私は、「お茶出しでも手伝ってくるか」と思い、派遣社員のNさんと一緒に○○室へ。

すると「おー、来た来た」と、ホっとしたようなIさん。そしてゲストの●●さんに、
「いやぁ、うちの女子社員がどうしても●●さんに会いたいって言ってまして。」

えっ。

しかし、そういうことにしておいてくれ、という暗黙の空気が流れ、私とNさんは
「そ、そうなんですっ。よくテレビでご活躍、拝見していますぅ〜〜」とキャピキャピとはしゃいでみせた。
●●さんは普通にいい人だったけど、特に好みじゃないので、実はいたって冷静な私の心。
しかし、握手まで求めてファンを装った私たちは偉いと思いませんか・・・・。

お役目を果たし終えて○○室を後にしようとした私たちに向かって、思わずIさんはこう言ってしまった。
「悪かったねー、須藤さん、Nさん」

“悪かったねぇ”って、こ、これじゃ社交辞令でファンを装ったことが●●さんにバレちゃうじゃん!(笑)
とあせったが、どうやら●●さんには聞こえていなかった様子。

・ ・ほっ・
でも気遣いって大変ですの。